のり養殖

行徳市から富津市の東京湾では、のりを養殖しています。「江戸前ちばのり」ブランドの高級品です。
のりの育て方には支柱柵方式とベタ流し方式の2種類あり,生産者の9割はベタ流しで海苔を育てています。


海苔の育て方


種つけ(9月頃)

 9月上旬頃、海苔の種を網に付けます。(陸上採苗)
網を水車に巻き付けて、海苔の種が入った海水の中で回します。顕微鏡で網についた種の密度を確認し,良ければ冷凍庫に保管します。
 9月下旬頃、漁場の水温が下がったら種網を海に広げ,海苔を育てます。芽が1〜3pになった網から順に冷凍庫にしまいます。この網を冷凍網といって、春までの網交換用ストックになります。最後まで海に残った網で秋の生産をします。
 海苔は摘んでもまた伸びます。1枚の網で3〜5回刈り取りでき,乾海苔が1〜1.5万枚できます。ですがヒゲと同じで刈れば刈るほど硬くなります。当然,初摘みは柔らかくおいしいので最上級の海苔になりますが,5回も刈り取ると硬くてゴワゴワしており,等級も低くなります。どのタイミングで網交換するか?毎年悩むところです。
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ベタ流し


支柱柵

育苗

ベタ流し方式

四隅を固定した木枠に広げた海苔網を20枚付けて海苔を育てます。この方式は支柱柵に比べ,海苔の成長がよく,水深が深いところでも養殖できます。

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支柱柵方式

昔ながらの方式です。網を広げるためには写真のように棒を砂地に刺して,海苔網の四隅を棒に縛り付けます。水深の深いところではできません。
木更津〜行徳で行われています。


育った海苔


 網に生えた海苔の様子です。左は水の中,右は持ち上げてみたところ。海苔は10〜20pに伸びたら刈り取ります。
 羽田空港から飛行機に乗ったときには下をのぞいてみてください。海に広がった海苔の網が見えます(11〜3月)。東京湾アクアラインの橋脚下も海苔の漁場です。

刈り取り(高速摘採船)


 海苔の刈り取りには機械を使います。これは高速摘採船で、船ごと網の下に潜り込み、垂れ下がる海苔をバリカンのようなもので刈り取ります。


のりの水揚げ


刈り取った海苔はすぐに港に運んで水揚げします。
海苔の下をくぐるので、全身海苔だらけです。右は検量しているところ。

乾海苔のできあがるまで

水揚げした海苔は、その日のうちに乾海苔に加工します。夜中までかかっても必ずその日のうちに加工します。

乾海苔の加工へ


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