海苔の種付け



9月の半ばから海苔の種付けが始まりました。
採苗は陸上で種付けをする「陸上採苗」と海で種付けをする「野外採苗」があります。
今は,千葉県の海苔養殖をやっている人の大半が陸上採苗方式で種付けしています。
海苔養殖をやっている組合では水車がぐるぐる回る風景が2週間ほど続きます。
これからが海苔の本格的なシーズンです。

糸の繊維の上についた海苔の胞子

水車に海に広げる海苔の網を巻き付けて,種をつけていきます。
手前の水の中には海苔の胞子を出すカキ殻があります。
光,水温などを調整しながら作業を進めます。
網に種がついたかどうかは網の一部を切り取って顕微鏡で確認します。
表題右側の写真が,海苔網についた海苔の胞子の顕微鏡写真です。糸の繊維の上についた赤い点が海苔の胞子。
網に適当な数の胞子がついたら,新しい網を巻き足します。
海苔の胞子は明るいところにしかつかないので,下になった網につきすぎることはありません。
胞子を付け終わった網はまとめて日の当たる養生(ようじょう)水槽に移します。
この間に海苔の胞子が網にしっかりとくっつきます。
海苔の種がついた「種網」はよく水気をきってその日のうちに冷凍庫にしまいます。
そして海に種網を出すときまで保管しておきます。
海苔の胞子を出し終わったカキ殻は日に当てて休ませます。
こうすると4日間ほど胞子を出すのに使えます
 

胞子の出るカキ殻とは?


海苔は夏の間,「糸状体」という状態で貝殻などの石灰質のものに潜り込んで過ごします。
このため,海苔養殖漁業者は大量に手に入るカキの貝殻に果胞子を付け、糸状体に育てて大切に飼育しています。

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